つぶやき

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No.1212

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『関心領域』がずっと頭をグルグルしてるので、アマプラで『ヒトラーのための虐殺会議』を観ました。
ヘス所長の名前もチラッと出てきます。

軍隊と官僚が集まってヒトラーが希望している「ヨーロッパにいるユダヤ人抹殺」に向けての会議を行う。
実際の議事録が一部残っていて、それに基づき作られた映画とのこと。

忙しい参加者のために朝食を兼ねて会議が設定されていたり、参加者の奥さんの出産を祝ったり、若者が戦争に参加することによるストレスを慮ったり、さすが重役たちなだけあって人の感情の機微がわかる人たちばかりなのに「ユダヤ人の虐殺は間違いなく達成せねばならずそこに疑問の余地はない」という前提が強固にあってグロテスクだった。
ただ、映画に映る画面自体はほぼ会議室の風景で、庭のシーンがちょっとあるくらいでゴアシーンは皆無。

なにが怖いってタイトルのとおり、「ヒトラーがユダヤ人を抹殺したい、つまりユダヤ人虐殺は官僚&軍隊の必達事項」になっているんだけど、普通の会社の会議の構図とめちゃくちゃ似てる。
官僚=管理部、軍隊=営業部 に見えて仕方ない。
社長の「今年の目標」に対して、管理部側は自分の責任の範疇で懸念点を提示して、営業部側はひたすら売上を上げるためにがんばる。
営業の上層部が売り上げ達成のためのアイディアを絞り出す。
毎日見てる光景。

映画の中でアドルフ・アイヒマンという人物がとくに“優秀な人物”として描かれていて気になったので調べてみたら「凡庸な悪」と表現されているらしいとわかって、すごくよく理解できた気がした。

働いてると上司の命令、社長の目標は本当にもう“絶対”になってしまうことがあるから、優秀な人物でも倫理観を備えてないと最悪な上司の期待に応えるために最悪な「完璧な案」を出してしまうんだな……

倫理観が高い会社で働いてないと真面目で仕事熱心なあまりに悪に手を染めてしまうことって全然ありえるなと改めて思った。

会議の中で、「1/2ユダヤ人はユダヤ人か?」とか、「第一次世界大戦でドイツ人として一緒に戦ったユダヤ人はどう扱う?」といったことを官僚側は“自分の管轄だから”気にしていて、軍隊側には「そんな細かいことなんで定義する必要があるんだ?ユダヤ人はユダヤ人だろ?」って言う人もいて、なんかもうこの細かさがめちゃくちゃ会議としてリアルだったな……
意見を言ってくる人を「めんどくさい人」って感じで扱ってたり、「まぁまぁ」って感じで進んだり、何もかも「見たことあるやつ〜〜」だった。

私は特に波風立てるのが嫌いだし、NOというのが苦手なので、なるべく善性が高い環境にいたいし、ちゃんとダメな時はダメと言えるようにしたい。

あと映画の中で、臭いの問題にも触れられていて、「やっぱり『関心領域』の家は悪臭問題すごいんじゃん!!」って思った。
いくらお花を植えてもさすがに無理じゃない?
あの奥さん本当にタフだな……たたむ

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